祇王寺は嵯峨にある。
地図で見ると嵯峨は広いように感じられるが実際には狭い。
狭い嵯峨にどうか、車で乗り入れるのだけはやめてほしいです。
ゆっくり歩いてこそ、嵯峨の本当の良さが満喫できるでしょう。
嵯峨、嵐山、高尾の辺りは京の奥座敷と呼ばれております。
奥座敷だから先は行き止まりになって、山を超え川をさかのぼると丹波に行き着きます。
さて、昔の貴族はこの奥座敷でゆったりとした時間を楽しみに過ごしたらしい。
沢山のお寺があるが冥土のことを考えたり死者の思い出に浸るよりは世話しない現生から逃れて楽しい時間を過ごす場所として建てられた印象が深い。
嵯峨には遊ぶがふさわしい言葉でしょう。
疲れ、汚れた魂をゆったりと放り出す。
そうすれば現代人も王朝の貴族の気分になれる気がするでしょ。
祇王と祇女の姉妹は平清盛に追放され嵯峨に隠れ住んだ寺が祇王寺です。
源氏物語に出てくる悲劇で有名ですが実際はこじんまりとした風情のある庭を見ていると静かな幸せな一生だったのではないかと思われます。
実際、私もよく散策をしましたが悲しいとか怖いと言うイメージは抱いたことがありません。
苔むしたこじんまりとした庭に水琴窟の優しい音色が迎えてくれます。
残暑にお勧めです。
もちろん紅葉と苔のシーズンは素晴らしい場所です。