七無

昨日は雨水の日ごときに、彼方此方で霧が深く、雨がつらつらと振りました。
今年初めての満月、今夜再度仰いでみてくださいませね。

４歳に実母を亡くし、祖母は私の行末を不憫に思ったのか３人の孫の中で私を禅寺の尼さんに教育を頼みました。
私が８歳の時父の本宅から祖母の隠居先の嵐山に預けられた時。
すでに姉が祖母の妹と居を構えていました。

街っ子が人里離れた嵐山に親は来ず、弟もいない。
祖母と姉が居る別宅に。

自炊生活が始まりました。
それは、あまりにも寂しく過酷な日々でした。
洗濯機は外に、買い出しは線路沿いに１時間歩くスーパーへ。

料理をしたことがない小学生5年には苦労が絶えませんでした。
唯一楽しみなのが学校給食でした。
しかし、土曜日はありません。
現在のようにコンビニなどありませんから。
近くのたこ焼き屋さんの匂いに気が遠くなる記憶が残っています。（笑）

くらい記憶を時々、私を襲いますが今に思うのは親に捨てられたり、ネグレクトされた子供はこのような思いをしたのです。
今もしているかもしれません。

自然の多い嵐山の生活は辛いだけでは終わりませんでした。
私に生きる力サバイバル精神をつけました。
自然は偉大です。空気は澄み、川の水は綺麗だし、沢山の野生の動物が側にいる。

私は外へ行く機会を楽しみにしました。

禅の尼さんが良く話してくれました。
眉宇を大事にすべし。
精神状態が現れるところだが心配事、問題があればあるほど眉宇を開くように。

困った時は天を仰いで憂うるような人間でなければもののやくにたたない。と。